第37回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第37回研究例会

日時:2011年2月12日(土曜日) 午後3時~5時

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階 738号室

最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html

赤門を入り右手の建物です。
*当日は土曜日で建物内に入れない可能性があります。(4時までは開いているはずですが)その時には研究室の電話03-5841-3636に御連絡下さい。


【発表】

○発表者:李莎梨(東京大学大学院人文社会系研究科)
▽発表題目:「韓国における管理職出身者の自営業経営:資源動員を通じた起業」(仮題)

 これまで韓国において都市下層の範疇であった自営業層に関する考察が、IMF危機以降に活発である。しかしこれらの考察は、主に統計的手法から労働市場との関係を論じており、この時期に多く発生した管理職出身者のスピンアウトがいかなる社会的資源を活用することで可能となったのかは不明である。スピンアウトの類型は多様であるが、本発表では、中小企業への参入を中心に、管理職出身者の起業過程において彼らが有する資源がいかに動員されていったのかを論じたい。

①資金流動性の維持:従来は資金繰りが悪くなると大企業による合併吸収によって倒産していたが、管理職出身者は血縁や学縁、職縁(起業メンバー)を通じて資金を調達しており、資金の枯渇を防いでいる。また、起業メンバー間の出資率に差等を付けたり、投資家からの干渉を受けないことで、「オーナー」として経営することに固執している。

②大企業との依存的関係の解消:従来の経営では、大企業と中小企業の間で産業間分業が定着しており、中小企業は大企業の「協力会社」として下請け経営を行うことが優先されてきたが、IMF危機以降は、大企業への依存性を脱皮するために、管理職出身者の社会的資源を通じて、複数の企業との取引を可能にしている。

韓国・朝鮮文化研究会 事務局
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