第49回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第49回研究例会

日時:2014年6月7日(土曜日)15時~17時

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階 738号室

最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html

赤門を入り右手の建物です。
*当日は土曜日で建物内に入れない可能性があります。(4時までは開いているはずですが)その時には研究室の電話03-5841-3636に御連絡下さい。



▽発表者:長澤裕子(東京大学大学院情報学環現代韓国研究センター特任講師)

◎題目:「解放期朝鮮における日韓分離と文化の分離再建:一次資料からの再考」

【発表要旨】


 連合国軍の対日・対南朝鮮占領政策の一環として遂行された米国の「日韓分離(Separation Korea from Japan)」政策は、1945年8月の日本の敗戦を機に、1945年の「政治・行政面での統治権の分離」から始まり、1951年「対日講和条約」の締結による「領土主権の分離」で終結した。

 一方、同じ時期の解放期朝鮮では、「文化の分離・再建」はいったいどのように進行したのだろうか。解放期朝鮮における国立博物館の設置や対日文化財返還要求は、個人の回顧録や学会会報史によって、朝鮮総督府博物館を韓国人館長が引き継いだ様子や、震檀学会の動きが伝えられている。しかし、国立博物館の設置と文化財返還要求は、同時期の南朝鮮での出来事であるにもかかわらず、一個人や一団体の活動として別々に理解されている。

 本報告では、一次資料に基づき、解放期朝鮮の国立博物館設立や対日文化財返還要求の動きについて、連合国や米軍政庁が展開した政策から再考を試みる。合わせて、同時期の連合国占領下日本において、戦中に閉鎖された博物館を戦後に開館する上で、植民地朝鮮から日本に搬入され所蔵していた掠奪文化財(Looted Cultural Objects)がいったいどのように考えられていたのだろうかという問題も考察してみる。イタリア講和条約に掠奪文化財の返還が規定される等、文化財返還問題は戦後の国際秩序を構築する上でも重視されていた。一方、日本の朝鮮文化財は、連合国の間でどのようにとらえられていたのだろうか。以上の点に基づき、本発表は日韓分離政策を文化の側面から考察する一つの初歩的な試みとして、一次資料と共に紹介する。

韓国・朝鮮文化研究会 事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院人文系研究科 韓国朝鮮文化研究室内