第7回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第7回研究例会

日時:2003年2月8日(土曜日) 午後3時30分~7時

【発表1】

発表者:吉田光男(東京大学韓国朝鮮文化研究室)

発表題目:近世ソウルの地域空間「洞」の歴史的性格

内容説明:
 近世都市漢城(ソウル)城壁内という都市的空間の中で、人々が生きていた最小の地域単位は「洞」である。この「洞」の実態追求を通して、漢城住民が生活していた地域空間の歴史的性格をうかがってみる。時間的には17世紀から20世紀初頭までの、近世全時期から近代への転換期までを対象とする。
 城壁内には300~400の「洞」があったが、生成・消滅・分裂・統合を繰り返しており、常に動いている生き物であった。地図と文献資料によって「洞」を復元し、漢城住民が地域空間といかなる関係性をもっていたかを考えてみる。

【発表2】

発表者:高原基彰(東京大学社会情報研究所博士課程)

発表題目:韓国のパンク・ロック音楽――日本との関わりを中心に (仮題)

内容説明:
 ポピュラー文化の一形態としてのパンク・ロックは、韓国において近年急速な盛り上がりを見せ、若者を中心に高い人気を獲得するパンク・バンドも現れている。また、この文化の荷い手たちは日本に並々ならぬ関心を抱き、日本のパンク・ロックを自分たちの活動の「モデル」として積極的に受容しており、活発に日本での活動を模索してもいる。これらの背景としては、アメリカ文化の浸透と「アジア」内での連携強化が同時進行しているというポピュラー文化全体の趨勢があるが、同時に、パンク・ロックに特有な「反主流志向」とも言うべき美学と、それに元づく産業形態の存在も指摘する必要がある。本報告では、パンク・ロックが韓国ポピュラー音楽内でどのような位置にいるのか、その点が彼らの持つ日本との関係性とどのような文脈で交差しているのか、およびその国内外の活動においてどのような軋轢や不均衡が生成しているのかを、実地調査の結果を元に考察してみたい。

会場:東京大学(本郷キャンパス)法文1号館2階217番教室

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