第56回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第56回研究例会

日時:2016年4月2日(土曜日)15時~17時

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階738号室

最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html

赤門を入り右手の建物です。


▽発表者:金志善氏(東京芸術大学楽理科教育研究助手)・福田千絵氏(お茶の水女子大学非常勤講師)

◎題目:「1920年代の朝鮮における新日本音楽の展開―都山流尺八の佐藤令山の活動を中心に―」

【発表要旨】


 本発表は、植民地朝鮮における新日本音楽の展開を都山流尺八家・佐藤令山の活動を通じて明らかにするものである。

 新日本音楽とは、1920年代を中心に邦楽家たちによって行われた新たな様式の作品のことで、日本の伝統的な作曲法をもとに西洋音楽の作曲法を取り入れたものである。新日本音楽は、日本のみならず、日本の植民地であった朝鮮にもいち早く伝わっており、新日本音楽を牽引した山田流箏曲の宮城道雄や都山流尺八の中尾都山などは、植民地朝鮮においても作曲発表会などの演奏会を行っていた。このように当時の日本における代表的な邦楽家の演奏会が朝鮮で実現できたのは、すでに朝鮮を拠点に活動を行う弟子筋の邦楽家が数多く存在しており、彼らは朝鮮の京城や釜山などの大都市を中心にその支部を担って在朝鮮日本人に広めていたからであった。

 本発表では、植民地朝鮮における邦楽研究として、1916年から1930年までの15年間にわたり朝鮮で活動を行っていた都山流尺八家・佐藤令山の活動実態を明らかにすることで、新日本音楽が朝鮮でどのように展開していたのか、その全貌を明らかにする。これらの考察において主に『京城日報』の新聞記事・広告を中心に、『三曲』、『都山流百年史』などの史料を用いる。

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