他の研究会案内 of 韓国・朝鮮文化研究会

以下のように、研究会等のお知らせが来ておりますのでご案内いたします。

 本研究会会員より下記の研究会等のお知らせを会員の皆様に流して欲しいとのご依頼がありました。
 韓国朝鮮研究とも関連がございますので会員の皆様にお知らせいたします。詳細等につきましては、下記をご参照ください。




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東京大学附属図書館U-PARL・東ユーラシア系譜記録研究会共催ワークショップ

系譜記録がつなぐユーラシア史

—東北アジアの族譜をいかに活用するか—
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【開催趣旨】

 人類はその歴史の中で、自らの祖先に関する情報を、家譜や系譜、家系図などの形態によって記録してきた。このような系譜記録はユーラシアの東西を問わず広くみられるが、ユーラシア東方の諸社会で歴史的に編纂されてきたのが、主に族譜とよばれる種類の系譜記録である。族譜には、もっぱら父系の親族組織(氏族・宗族・家系など)によって編まれた累代の人々の名前が綴られている。族譜は、宋代ごろより中国で編纂され始めたとされ、やがて朝鮮半島・ベトナム・マンチュリアなど、ユーラシア東縁部諸地域の社会にも広がっていった。

 このような族譜、あるいはそれに類する系譜記録は一見すると、膨大な人名が世代別に列挙されただけの、単なる無味乾燥な人名リストに見えるかもしれない。だがその根底には、それらが作り上げられた地域・時代・社会の特徴が隠されているはずである。ユーラシア東縁部の諸社会で族譜が編纂されていく過程は、単なる「中国化」や「漢化」として捉えられるようなものではなく、各社会の状況にあわせて選択的に受容されていったものであった。そのため、各地域における族譜のあり方を比較することで、それぞれの社会・文化における「人々の繋がり」のかたちを浮き彫りにすることができよう。本ワークショップは、「族譜をどのように活用・分析することで、各地域・時代のどのような特徴を抉出することができるか」という、歴史史料としての族譜の使い方・扱い方(史料操作の手法)に焦点をあてる。

 このような問いの根底には、歴史史料のデジタル化が進展する中で、史料の使い方・扱い方それ自体を広く議論する場が必要ではないか、という問題意識がある。本ワークショップを主催する東京大学附属図書館U-PARL(アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門)は、東京大学所蔵の学術資源をデジタル化し、学界・社会の便益に供することをその第一の使命としてきた。そしてU-PARLが現在取り組んでいるデジタル化企画の一つが、歴史的な経緯から東京大学に多数所蔵されている、東北アジア地域(マンチュリア、朝鮮半島など)に関する学術資源(東北アジア学術資源)のデジタル化である。そして、かかる東北アジア学術資源のうち特に重要な意味を持つ資料群が、マンチュリアや朝鮮半島などで歴史的に編纂されてきた族譜・系譜記録なのである。

 東京大学における東北アジア学術資源の中核をなす族譜という史料を、デジタル化公開によって最大限に活用するためには、どのようにすればよいのであろうか。本ワークショップは、U-PARLの10年以上にわたるデジタル化の営みの中で立ち現れてきた、このような問いから出発するものである。そのために、比較史的・文理融合的な手法から系譜記録の分析を進めてきた、韓国の研究者を中心とする東ユーラシア系譜記録研究会との共同開催という形をとることになった。東ユーラシア系譜記録研究会は、マンチュリア・朝鮮半島・ベトナムといったユーラシア東方諸地域の専門家などから構成されており、日本の学界に先駆けて比較史的・文理融合的な手法から研究を進めつつある。同会との研究交流を通じて、その知見を日本の学界と共有するとともに、コメンテーターとして琉球史、モンゴル史、イスラーム史を専門とする歴史研究者を迎え、比較史的な観点から意見を交換する。これを通じて、東北アジアの族譜がユーラシア史全体における「人々の繋がり」のあり方の中にどのように位置づけられるのかについて、文理融合的・東西融合的な観点から構想する。

開催日時:2025年12月13日(土)13:00〜17:50
開催方式:対面・オンライン併用・事前登録制 (締切:12月12日金曜日17時)
会場:東京大学本郷キャンパス総合図書館大会議室

登録用URL:https://forms.gle/EAfPn39dBPeHijq29


プログラム:
 趣旨説明  中井 勇人
 基調報告  六反田 豊
「18〜19世紀における豊基秦氏の族譜編纂と族的結合の推移」
 個別報告① 権 奇奭・金 城吾
「16〜17世紀朝鮮族譜の事例と特徴:青松沈氏と晋陽河氏を中心に」
 個別報告② 許 怡齢
「ベトナムの族譜研究:中部地域の阮輝(Nguyễn Huy) 家門を中心に」
 個別報告③ 林 慶俊
「清代ニュフル氏エイドゥ家の系譜意識:『弘毅公家譜』を中心に 」
 個別報告④ 李 慜鎬
「系譜記録の電算化ツールの比較と事例報告」
 総括   中井 勇人
「族譜をいかに活用するか:東北アジアにおける系譜記録の特徴と機能」
 コメント
渡辺 美季(琉球史の観点から)*事前録画
李 善愛 (モンゴル史の観点から)
森本 一夫(イスラーム史の観点から)
 総合討論



開催主体:東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)・東ユーラシア系譜記録研究会 共催

お問い合わせは uparl[at]lib.u-tokyo.ac.jp ←[at]をアットマークに変えてください
*件名を「12月ワークショップについて」としてください
WS 系譜記録がつなぐユーラシア史

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安倍能成日記研究会(科学研究費・基盤(C)「京城時代の安倍能成」)主催
研究集会・京城の能成、東京の能成─〈安倍能成日記〉から見えてきたもの─
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共同研究チーム・安倍能成日記研究会(通堂あゆみ・永島広紀・新里瑠璃子・許智香)は、哲学者・教育行政家の安倍能成(1883-1966年)が京城帝国大学教授として壮年期を過ごした時期に着目し、彼が書き残した未公刊の日記を翻刻・注釈作業を進めることで、在朝日本人としての日常生活から大学での講義や校務に至るまでを史的に再現することにつとめてきました。
その成果を報告し、また、安倍に関わる研究を進めてこられた研究者のみなさまとの対話により、さらに理解を深めることを目指して下記の研究集会を開催いたします。

開催日時:2025年12月20日(土) 13:00~18:00(予定)
会場:東京大学駒場地区キャンパス 1号館157番教室 
※参加を希望される方はPDFファイル下部のQRコードよりお申し込みください
(オンライン配信の予定はありません)

プログラム
開会の挨拶・趣旨説明・来賓紹介(13:00~13:10) 永島広紀(九州大学)

第1部:基調講演(13:10~14:00)
高田里惠子(桃山学院大学)
安倍能成、「正直」と「いい加減」のあいだで

第2部:研究報告(14:10~16:50 〔休憩15:40~15:50〕)
通堂あゆみ(武蔵高等学校中学校)14:10~14:40
移動し、異動する帝大教授たち
許 智香(立命館大学)14:40~15:10
京城帝大哲学科と安倍能成─朝鮮人学生との接点を中心に─
新里瑠璃子(長崎外国語大学)15:10~15:40
京城帝大予科の修業年限改正について─安倍能成の外国語教育観
青木一平(江戸川学園取手高等学校)15:50~16:20
「安倍能成日記」からみる岩波文化と安倍能成(仮)
福嶋寛之(福岡大学)16:20~16:50
その後の安倍能成―海軍省思想懇談会での民族政策論を手がかりに

第3部:総合討論(17:00~17:55)「安倍日記を縦横に語る」
コメンテーター:
中野目 徹(筑波大学)・山口輝臣(東京大学)・桑尾光太郎(学習院大学)

終会の辞(17:55) 永島広紀(九州大学)
懇親会(18:30~)