第58回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第58回研究例会

日時:2016年12月3日(土曜日)15時~17時

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階738号室

最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html

赤門を入り右手の建物です。


▽発表者:辻大和氏(学習院大学東洋文化研究所助教)

◎題目:「韓国の「文化原型デジタルコンテンツ」事業の歩みと歴史イメージ」

【発表要旨】


 韓国政府の進める映像・メディアコンテンツ関係政策のうち、広義の歴史認識問題との関係があると思われるのが「文化原型デジタルコンテンツ」事業である。この「文化原型デジタルコンテンツ」事業とは、有形無形の歴史資料を各種機関(大学、研究機関、一般企業など)がドラマや映画などの素材に加工するのに際し、韓国政府(文化体育観光部所管)が補助金を出して、その活発な利用を喚起しようとするものであり、2002年から始まった。韓国の歴史資料デジタル化については、これまで「韓国史データベース」や「韓国歴史情報統合システム」など、歴史研究への利用を中心に研究者の注目を浴びてきたが、「文化原型デジタルコンテンツ」事業はデジタル化資料の商業的な二次利用を目的とし ているため、歴史認識問題に対する韓国政府の関わりを知る手がかりになると考えられる。本報告では報告者の関心事についてまず紹介したのち、「文化原型デジタルコンテンツ」事業の沿革、重点分野をさぐり、韓国政府の関心動向を考察したい。重点分野については韓国政府がこれまで助成を行った「文化原型」について、個々の助成事例を時代区分して集計し、時代別に偏りがあることを示す。また関心動向に関しては1999年の金大中政権から2016年現在の朴槿恵政権までの、各政権の文化原型コンテンツ政策との関わりについて公刊資料をもとに変容を分析したい。

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