第63回研究例会
日時:2018年2月3日(土曜日)15時~17時
会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階738号室
最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html
赤門を入り右手の建物です。
▽発表者:金賢貞氏(亜細亜大学国際関係学部 専任講師)
◎題目:語りはじめた植民地遺産 ―現代韓国における新しい「近代」展示施設の誕生と展示内容を中心に―
1876年に日本と朝鮮との間で「日朝修好条規」が締結され、釜山、元山、仁川などが開港した。その後も木浦、鎮南浦、群山などの開港が相つぎ、植民地都市へ変貌した朝鮮半島の漁村や港町は少なくない。特に、植民地政府によって計画的に開発された町には、役所、裁判所、銀行などが設置されるとともに、日本人が移り住みはじめ、日本人家屋も数多く建てられた。朝鮮半島の独立後も残存した日本式建築物の多くは、物理的にも感情的にも「取り除きたい」「取り除くべき」重荷とされ、1995年の大々的な「朝鮮総督府庁舎」の取り壊しは、そのような韓国社会の認識や感情を象徴的に示してくれる。しかし、1990年代末を境に除去すべき「重荷」でしかなかった日本式建築物は保存・活用すべき「資源」に位置づけられるようになる。その結果、誕生したのが「近代」を冠した博物館、歴史館、建築館などの公共展示施設である。
本発表では、独立後の韓国社会における日本式建築物をめぐる以上のような変化を踏まえた上で、2000年代以降オープンした「釜山近代歴史館」「木浦近代歴史館」「仁川開港場近代建築展示館」「群山近代歴史博物館」など「近代」を冠した公共展示施設の展示内容を調べるとともに、「九龍浦近代歴史館」に焦点を当ててこのような施設の展示内容がどのように作られ、その特徴は何かについて考えてみたい。
韓国・朝鮮文化研究会 事務局
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