第68回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第68回研究例会

日時:2019年4月13日(土曜日)15時~17時

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階738号室

最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html

赤門を入り右手の建物です。


▽発表者: 李美淑氏(立教大学 グローバル・リベラルアーツ・プログラム運営センター 助教)

◎題目: トランスナショナルな公共圏の可能性に関する考察―1970年代~80年代における「日韓連帯運動」を事例に

【発表要旨】

 1970~80年代、韓国の民主化運動に対する支援と連帯をうたった市民運動が米国、西ヨーロッパ、そして日本などで起こっていた。とりわけ、65万人とも言われる在日朝鮮人が居住していた日本では、様々な運動部門がネットワークを形成し、「日韓連帯運動」を繰り広げていた。本発表では、拙著『「日韓連帯運動」の時代―トランスナショナルな公共圏とメディア』(2018、東京大学出版会)をもとに、1970年代~80年代の「日韓連帯運動」を概観し、その背後に働いていたトランスナショナルな情報交換のネットワークの形成とその活動、そしてその政治的含意について議論する。とりわけ、こうしたネットワークを通じ、知識人や活動家たちが直接的あるいは間接的に出会い、問題提起、問題意識の共有、それに対する応答というコミュニケーション的行為が行われていたことに注目し、下から構築していくトランスナショナルな公共圏の可能性を論じる。しかし、1990年代以降の新たな政治経済的構造や社会変動のなかで、今日は他者との連帯をうたっていた「日韓連帯運動」の継承より、その「断絶」が目立っている。そこで、本発表の最後では、こうした「断絶」をめぐって参加者とともに議論したい。

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