第14回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第14回研究例会

日時:2004年12月4日(土曜日) 午後3時~7時

【発表1】

発表者:金瑚然(壇国大学校東洋学研究所研究教授)

タイトル:「結ぶ,解く,そしてその力動的姿:李潤澤の演劇を中心に」

発表概要:
  韓国文化は,ひとことで語るのが難しい。しかし規定しにくいのは,無秩序であるからではない。それは,結ぶことと解くことの相互補完的な響きにより,涙させ,笑わせる姿を我々に示す。これは皆が共有する普遍性に基盤をおき,誰でもたやすく接近する事のできる開いた空間を指向し,規範,特権の一時的解体の場(マダン)を用意する。
  このような姿は,自然と公演芸術に受容され,その過程で祭儀的要素と遊び(ノリ)的要素が結合し,新しい意味を生産するようになった。特に李潤澤(戯曲作家,演出家)は,日常性において遊び的な姿を追求し,韓国文化の力動的な姿を提示している。そのような意味で,本発表では,彼の演劇「オグ(悪鬼)-死の形式」(1989年初演),「日蝕」(1999年初演)を通じて,結ぶことと解けることの循環的構造のなかで,韓国文化の原型がどのように表現されているのかを,韓国文化の特殊性と普遍性を探求することに意味を置きつつ考究しようと思う。(以上,本田洋訳)
  *金瑚然氏は近現代韓国の公演芸術を専門とし,「韓国近代楽劇研究」(壇国大学校大学院国語国文学科博士学位論文,2003年)で学位を取得,現在,東京大学文学部外国人研究員として滞日中です。
*発表1のみ韓国語による発表。通訳なし。

【発表2】

発表者:古田富建(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程)

タイトル:「朝鮮植民地期のキリスト教と民俗宗教-李龍道とキリスト教系新宗教を中心に」

発表概要:
  朝鮮半島のキリスト教の受容と独自性がテーマ。「巫俗」をバックグラウンドに持つ1930年代の 朝鮮人牧師李龍道や「キリスト教系新宗教」の思想を追い、キリスト教の中での「巫俗」の出現時 期や出現した思想等を明らかにする。

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟・738番教室

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