第6回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第6回研究例会

日時:2002年12月7日(土曜日) 午後3時~

発表者:土居邦彦(立教大学大学院)

題目(仮):「埋香碑を通してみた埋香儀礼と香徒の考察」

発表概要:
 埋香儀礼とは、香木や木を(干潟に)埋沈することで願をかける儀礼であり、埋香碑とはその埋香儀礼を記念して作成された碑文・岩刻文である。現在14基の埋香碑(非現存3基を含む)が確認されており(碑面は16面、埋香事例は17例)、その年代は14世紀から15世紀に集中している。報告者は許可の下りなかった一例を除き、全ての埋香碑を実見して検討することができた。今回は一次史料である埋香碑に刻まれた碑文の内容に即して、埋香儀礼の実態を考察してみたい。
 なお、埋香儀礼を行なった人々は多くの場合、香徒や契と名乗る集団であった。王朝実録等の文献には、香徒は村落共同体の相互扶助的な組織として描かれており、麗末鮮初には確かに村落共同体の組織として存在していたことは明らかである。しかし一方で、埋香碑をはじめとする各種の碑文には、共同体の枠には収まりきらない姿を見て取ることができる。時間的な余裕が有れば、香徒が多種多様な姿で資料に登場する理由についても、埋香碑をはじめとする各種の香徒関係の碑文を通して考察してみたい。

会場:東京大学弥生地区総合研究棟4階407号室
    (韓国朝鮮文化研究専攻演習室)

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