第33回研究例会
原則的には「偶数月第一土曜日」を例会の日としています。ただし8月は夏休み、10月には大会がありますので、例会はお休みとなります。
発表者は随時募集しています。事務局(下記)までお問い合わせ下さい。
日時:2010年2月13日(土曜日) 午後3時~5時40分
会場:東京大学(本郷キャンパス)法文1号館1階113番教室
*いつもの会場とは異なりますのでご注意下さい。
会場の地図:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html
最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
アクセス http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
【発表1】
○発表者:薛 盛璟(ソル・ソンギョン 明治大学客員教授・元延世大学校教授)
▽発表題目:九雲夢의 宗敎性과 隱喩的 政治性 *本発表は韓国語でおこなわれます
<九雲夢>은 17세기 末에 西浦 金萬重이 창작한 朝鮮朝의 대표적 古典小說이다. 이 작품은 表面的으로는 宗敎的인 主題와, 世俗的 英雄의 富貴功名의 主題를 함께 보여주고 있지만, 그 裏面에서는 이 두가지 主題를 統合시키면서 다시 宮庭文學에 包含될 수 있는 政治的 問題를 隱喩的으로 표현하고 있다.
<九雲夢>은 表題에서는 물론, 敍事에서도 9割 以上을 ‘夢遊’의 事件으로 展開하기 때문에 , 夢字小說, 夢幻小說로 指稱하고 있다. 그런데, <九雲夢>의 ‘夢’은 佛敎의 空觀哲學을 根據로 한 次元 높은 心性의 認識을 표현하는 方便으로 사용될 뿐만 아니라, 大乘佛敎의 『金綱經』에 根據한 空의 智慧를 解得하는 이야기와, 參禪 修道의 이야기를 통해 敎禪 雙修에 의한 大覺에 이르는 사건에 활용되는 특수한 素材이다.
그러므로 <九雲夢>의 特長은 佛敎哲學을 立證하는 論理的 方便으로서의 ‘夢’을 , 政治的인 문제의 隱喩的 表現 方式으로까지 複合的으로 活用함에 있다고 評價할 수 있다.
이 發表에서는 이러한 사실들을 立證함으로써, <九雲夢> <謝氏南征記>와 性向이 전혀 다른 작품이라는 通說과는 달리, <九雲夢>도 이미 政治 諷刺小說로 알려진 <謝氏南征記> 처럼 작가의 政治的 發言이 內包된 敍事談論이 된 作品임을 밝힘에 目的이 있다.
【発表2】
○発表者:春木育美(東洋英和女学院大学国際社会学部)
▽発表題目:少子化対策は誰のため?̶韓国の少子化対策の政治的文脈
現代の韓国では、少子化の進行が大きな社会問題となっている。2001年に出生率が1.17に低下し、日本をはじめとする主要先進国を大きく下回る水準となった事実に衝撃を受けた韓国政府は、それまでの出生抑制策から出生奨励策へ政策を急転換した。その後、韓国政府は、乳幼児の保育・教育費の支給拡大や保育サービスの質改善、保育施設の増設、産前産後休暇給与の国家負担拡大など、各種の少子化対策を矢継ぎ早に打ち出した。一方、国際結婚をした家庭(多文化家族)の子どもたちの教育にも、大きな関心を向けるようになった。
本報告では、韓国政府が策定した少子化対策がいかなる政治的フレーミングのもとで形成されたのか、その政策的方向性に着目し、検討する。韓国政府は、日本の少子化対策を範型として綿密な研究を行ってきたが、日本の政策アイディアがそのまま反映されているわけではなく、むしろ日本とは異なる形態の政策を推進している。その理由は、歴史的、文化的、制度的条件の相違に見いだされるが、少子化問題がどのような政治的文脈で語られているのかを考察することで、よりその理由が明確になると思われる。韓国における少子化対策は、どのような政治的文脈のもとで推進され、他のどのような争点と関連付けられているのであろうか。
結論から言えば、韓国の少子化問題は、国内経済や国際競争力に打撃を与え国家発展を阻害する問題として捉えられている。少子化対策の焦点は、「経済/国家発展」や「格差の解消」にあり、子ども持ちたい人が安心して産み育てられる社会を形成するための政策としてのアプローチに欠けている。
少子化対策のための確実な財源が確保されないまま理念や目標が先行して掲げられているため、実効性を伴う政策になっておらず、少子化対策に対する幅広いコンセンサスもまた得られていないのが現状といえる。
韓国・朝鮮文化研究会 事務局
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