第41回研究例会
日時:2012年4月7日(土曜日) 午後3時~5時
会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階 738号室
最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html
赤門を入り右手の建物です。
*当日は土曜日で建物内に入れない可能性があります。(4時までは開いているはずですが)その時には研究室の電話03-5841-3636に御連絡下さい。
【発表】
○発表者:林史樹(神田外語大学)
▽発表題目:「高麗人蔘を取り巻く生活の移り変わりと意識変化:韓国・錦山地域を中心に」
韓国では、2004年頃から健康の合言葉「Well-Being」の大流行した後も、「LOHAS」や「親環境」という標語が流行るなど、健康への情熱は一向に冷めやらない。『東医宝鑑』を編んだ許浚や四象医学を確立した李済馬など、漢方の名医を輩出してきた土地柄もあり、伝統的に漢方医学にたよる傾向がみられるが、今日、漢方と結びつけた健康維持への関心がますます強くなっているように思われる。しかし、このような、とくに高麗人蔘製品をはじめとする健康食品への高い支持とは裏腹に、長らく朝鮮半島では、厳しい経済状況のために、漢方医学の伝統はあっても民間療法にたよりがちであったのも事実である。また植民地期を契機に西洋薬が普及・浸透した後、アメリカから援助物資として西洋薬が入り、人々は昔ながらの民間薬か、安価な西洋薬にたよるしかなかった。いうまでもなく、高麗人蔘は高嶺の花であった。本発表では、高麗人蔘の集散地で、今日では韓国最大ともいう薬草市場が存在する忠清南道錦山地域の事例を中心に扱う。そこで、高麗人蔘を取り巻く人々の生活がどのような変遷をたどってきたのか、また高麗人蔘に対する意識やイメージがどのように変化してきたのかについて、まとめていく。今や、健康のシンボルとなった高麗人蔘であるが、健康によいイメージばかりが先行し、正確な医学的知識よりも経験知が優先される今日の状況に至る過程についても明らかにしていきたい。
韓国・朝鮮文化研究会 事務局
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