第46回研究例会 of 韓国・朝鮮文化研究会

 第46回研究例会

日時:2013年12月14日(土曜日)午後3時~5時

会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階 738号室

最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
■アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
■建物位置:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html

赤門を入り右手の建物です。


▽発表者:川西裕也(日本学術振興会特別研究員PD)

◎題目:「朝鮮時代における古文書の廃棄・再利用に関する初歩的考察」

【発表要旨】

 近年における朝鮮時代の古文書研究は、様式や機能を検討する研究や、書体や紙質を考察する研究など、様々な角度から古文書の性格を捉えようとする論考が陸続と発表されており、質量ともに一定の水準に達していると言える。しかし、古文書学において必要不可欠な史料である古文書それ自体が、いかなる歴史的な経緯を経たうえで、今日まで伝わってきたのか、という問題については、若干の先行研究もあるが、あまり考察が深められていないというのが現状である。

 朝鮮時代において、文書がいかに生産・保管・廃棄されており、それがいかなる意図・理念のもとに行われていたのか。また、甲午改革以降の「近代」化の過程で、朝鮮時代の古文書がいかに保管、あるいは廃棄されていったのか。こうした問題に取り組むことは、今日、研究材料として利用されている古文書群の形成過程の解明という、重要な史料学的課題に密接につながると思われる。およそ古文書を史料として用いた研究を行おうとすれば、その前提として、上記したような古文書の基本的性格に関わる問題を解明しておくことが、必須の作業として求められるであろう。この作業を抜きにして、古文書の適切な利用や厳密な史料批判は困難と思われる。

 そこで、本発表では、こうした古文書の伝来論的研究の一環として、朝鮮時代、古文書がいかに廃棄され、再利用されたか、その有り様について初歩的な考察を行うことにしたい。

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